8/8(木)国道156号・五箇山合掌造

 

道の駅「白山文化の里長滝」

 

 久しぶりのマス・ツーリングで,ツーリングチームのうち5人(台)の参加でした。 

 東海北陸自動車道を美並ICで降りて国道156号線を北上しました。郡上,高鷲,ひるがの高原と別名飛騨街道を上っていきます。

 

 道の駅で休憩。8時ちょっと過ぎ,着いたのが早すぎて道の駅の店は開店前でした。

 隣に流れる長良川河畔に降りる道がありました。大和清流の素晴らしい景色に加えて,流れる水の冷たさに心が和みました。

 早朝とはいえ真夏の太陽は容赦なく照りつけます。ここのところ都会では35℃越えの気温が当たり前になっています。そんな中でのツーリングは暑さとの戦いです。清流の冷水が思いがけないご馳走になりました。

 

 

分水嶺公園 荘川OR長良川

  途中に分水嶺公園があります。ここは,太平洋に流れる長良川と日本海の注ぐ荘川の源流地になっています。文字通り「分かれ道」で,小さな一本の流れが二本に分かれていました。日本列島の背骨の部分に当たるわけです。愛知県から走ってきた我々は長良川の源流まで遡り,ここから荘川に沿って下ることになります。

 左に流れれば長良川,行き着く先は太平洋です。右に流れれば荘川に入り,末は日本海に至ることになります。

 ツーリングチームの仲間二人が一枚の葉っぱを浮かべてどちらに行くか観察しています。君の運命は太平洋か,日本海かと自作自演の盛り上がりぶりです。

 実際は大洋に行き着くことはまずありません。50mぐらい先で木々に引っかかってよどんで終わり。それがこの葉っぱの運命に違いありません。

 

 

国道156号線はライダー向き  

 このあたりまで走ってきて国道156号線の良さに気づきました。それは,クルマがほとんど走っていない,ことです。特に,白鳥を過ぎて高鷲から白川郷の手前までは「貸切道路」のような状況でした。他の車両に気兼ねすることなく,自分たちのペースで思う存分走れました。 

 

「高速ができちゃったから一般国道を通るクルマがほとんどなくなってしまった。それでも高速開通以前は主要道路だったからそれなりに整備が進んでいる。かつては崖に沿って走る危険道路でイチコロ(156)線と言われたけれども,それは整備前の話」 

 

 ツーリング仲間がそんな解説をしてくれました。「イチコロ線」と言われた旧道路がいくつかありました。が,現在の156号線はそんな厳しい道路はありません。走りを満喫したいライダーにとっては上位にランキングできる道路です。 

 

御母衣ダム

 

 少し下ると御母衣ダムに着きます。大変大きなダムでした。写真では残念ながらその大きさが表現できません。展示館では涼しい休憩ができました。連日の猛暑で山間部といえども日向の暑さはかなりのものがあります。ジャケットの前を大きく開けて走りました。

 それでも都会のアスファルトジャングルの暑さとは大きな違いがあります。 

 

「暑いけど,空気が爽やかだよね」 

「カラッと,乾いてるからかなあ」 

「樹木や,植物に囲まれてると違うよね」 

 原因や理屈はよくわかりません。都会の殺人的な暑さとははっきり違います。 素人考えですが,アスファルト道路と排気ガスが大きな原因ではないかと思っています。四国お遍路をしているときも都会のアスファルト道路と山道の違いを大きく感じました。

 

合掌造五箇山

 

 

 合掌造り五箇山に着いたのは11時半でした。さすがに真昼の炎天下,散策には不向きの暑さでしたが,「混雑」という障害は避けることができました。「白川郷」という観光地化された集落をあえて避けたのが正解だったのでしょう。リーダーの選択に感謝です。

 

 ゆっくり食事ができたし,見学の古民家でも案内の人の話を聞くことができました。  

「いまでも,私の両親はこの家に住んでいます」 

 と言われたのにはびっくりしました。昼間は展示館になって,夜は民宿になるそうです。その家に実際に住んでいるというのには驚きました。 

 高齢の両親が住んでいるとのことでした。ただ,ご本人は富山市に住んでいてここに通っているということでした。実際田舎で生計を立てるのは難しいということでしょう。

 

合掌造 

 

 風通しがいい,というのが現代建築との大きな違いでしょう。気温が35度を軽く超える猛暑の日です。外を歩けば3歩で汗が噴き出してきます。しかしそんな日でも,合掌造りの家に入ったら,柔らかな涼しさを感じました。

 風通しがいいのはもちろんですが,造りのいたるところに工夫がされているのだと思います。2階の窓のそばに立ったら,信じられないくらいの涼しい風を肌に感じました。

 現代建築は真逆の方向に進化したました。内と外を可能な限り遮断し,冷房機,暖房機で快適な空間を創造することに邁進しました。その結果,冷房された室内では快適な生活ができるようになりましたが,冷房機器が必須設備になってしまいました。

「昔はクーラーなんてなくても夏はのりきれたよね」

 すきま風だらけの日本家屋が,本当は日本の風土に合っているのかもしれません。 

 

猛暑の中のツーリングもいいものだ

 猛烈な暑さの中,信号で止まると地獄です。日差しに加えて冷却ファンの熱風にいいようにさらされます。ジャケットの中で汗がとめどもなく出てきます。不快なべとつきに襲われながら,なんのためにこんな苦行をしているのだろうと自責の念にもかられます。

 ただ,それでも走り出してしまえば一変します。噴き出していた汗が冷却装置に早変わりします。風を受けた汗は冷却ファンになって体に突き刺さります。そのときの心地よさは,猛暑ツーリングでしか味わえません。

 

今回のツーリングで発見したこと。 

 

「田舎道のトンネルは涼しい。高速道路のトンネルは暑い」 

 

 この違いは何でしょう? わずかな違いではありません。天と地ほどに違いました。 

 156合繊の田舎道んトンネルでは冷蔵庫の中に入ったように涼しく感じました。炎天下からの気分差ですから冷房室ではなくて冷蔵庫ほどに涼しく感じました。 

  一方,高速道路のトンネルはことごとく熱風に見舞われました。走っていたのが夕方に近かったからという理屈は間違いなくその理由になります。でもそれだけではないような気がしました。交通量がはるかに多いので,排気ガスが溜まってしまうのかもしれません。 

 理由はよくわかりませんが,田舎道と高速道路のトンネルの環境がまったく違っているという事実は今日の発見でした。 

 最後に立ち寄ったのは美濃加茂SAにある「里山の湯」です。なかなかいい湯でした。広いスペースに様々の湯があり,ゆったりとくつろげます。 

 

 

 本日の走行距離は 470.7 kmでした。