1/8(水)尾張四観音とチャンバリン(倶利伽羅不動寺)

笠寺観音

 年始恒例の尾張四観音ツーリングに行ってきました。ここ数年,四観音巡りが初ツーリングになっています。尾張四観音は,徳川家康が名古屋城の築城に際し,城から見て鬼門の方角にある4か寺を鎮護として定めたとされています。

 笠寺観音から始めて,荒子観音,甚目寺観音,龍泉寺観音の順に巡ってきました。

 

荒子観音 

 今年はそれぞれの本堂で観音経偈を読経してきました。4が寺とも間違えずに,つかえずに唱えることができました。御朱印もいただきました。荒子観音だけは手書きではありません。毎年のことですが少し残念な気持ちになってしまいます。

 

甚目寺観音

 甚目寺観音では,「いま書ける人が他所に行っているので,10分か15分待っていただけますか」と言われて待ちました。境内をぶらぶら,先年には行かなかったところ,釈迦堂やら三重塔やらを見て回りました。十王像のところでお賽銭を集めている年配のお坊さんがいました。あちこちにあるので小銭を集めるのも手間がかかりそうです。PayPayとか,d払いといった電子決済にいつかはなるかもしれません。

 

 10分ほどして本堂に戻ると御朱印を書いていただいていました。よく見れば先にお賽銭を集めていたお坊さんでした。

 

龍泉寺観音

 

 甚目寺から竜泉寺までは高速(名二環)を使いました。大した距離ではないけれども国道302号のストップ・アンド・ゴーは意外にストレスになります。高速料金は510円でした。平日だと残念ながら割高になります。

 龍泉寺観音ではお参りのあと鐘つき堂に行って鐘をついてきました。正面の張り紙に「心をこめて一打拾円」とありました。先に来ていた女性に確かめました。

「10円,・・・ですか?」

「そのようですね」

 いまどき10円で買えるもの,何があるでしょうね。

 

 强巴林(チャンバリン)と倶利伽羅不動寺

 倶利伽羅不動寺のチャンバリン(强巴林)というお寺は,尾張四観音巡りで最後に訪れた龍泉寺観音の近くにあります。名二環を松河戸ICで降りて県道15号線に入ったら「→强巴林(チャンバリン)2km」という看板が目に入りました。大きな看板で「日本で唯一のチベット寺院」というメッセージも目に入りました。

 外観からして変わっています。独特の建物で色とりどりの旗がすぐに目に入ります。何から何まで彩色豊かな寺院で中の仏像や壁画も豊かな彩りです。日本のモノクロトーンの寺院とはまったく雰囲気が違います。 

 まずは入り口の両側に二体ずつ立っていたのは,四天王の像でしょうか,日本の仁王像などとは違いキラキラ輝いていました。力強さがストレートに表れています。「拝観料200円」の番人としては申し分なしです。

 本堂のなかの壁画も原色を用いた総天然色,赤,緑,黄色とふんだんに使って描かれています。日本の寺院がモノクロで落ち着いた雰囲気を醸し出しているのと真反対で,凡夫の活力を惜しみなく刺激しようとしているかのようです。

「このお釈迦さん,なんか艶めかしいよね」

 案内してくれた女性(尼僧)にちょっとだけ皮肉を込めて振ってみたところ,

「きれいですよね」と,さり気なくかわされました。後期密教の生命力賛美の考え方がそのまま表れているのでしょうか。

「チベット仏教を信仰している人が日本にいるのですか?」

 日本人信者がいるのか,いるとすればどれぐらいの数いるのか,そういうことが聞きたかったのですが,

「観光で来る人は多いですよ。団体さんもよく来ます」

 これもなんだかはぐらかされた感じでした。信仰より観光。商売に力を入れているのだろうか,とそんなふうに穿って考えてしまいました。

 

倶利伽羅不動寺と滝行

「隣のお不動さんも御朱印がもらえますよ」 

 そう言われて隣の倶利伽羅不動寺に行きました。同じ宗教団体のようです。チベット仏教とお不動さん,どうしていっしょになるのかなあ。やや理解できない思いをいだきながら行きました。

 

 行ってみてさらにびっくり。本堂の横に鳥居があって狐が出迎えてくれました。お稲荷さんです。チベット仏教と不動尊,それにお稲荷さん,なんでもあり?

  

滝行

 ちょうど今から滝行をやるというので許可をもらって見学しました。

 しかし,これもなんだかなあという思いが募るばかりでした。裏庭の一部スペースに滝がこしらえてありました。ミニチュアセットのようなお手頃感があり,もし風呂がついていればひところ流行ったジャングル風呂と間違えそうです。

 しめ縄に擬した縄が張ってあり結界を作っているようです。「滝に向かって二礼二拍手一礼してください」と住職さんが言います。もうこれはお寺ではなくて完全に神社です。倶利伽羅不動寺はお寺じゃなかったのか。

 ところがどっこい,次の瞬間住職の般若心経読経が始まりました。やっぱり不動寺はお寺だったのか。しかし,しめ縄に向かって般若心経,なんかおかしくないか?

 

 とは言っても初めて滝行なるものを見学しました。怪しい部分は多々ありましたが,面白い経験でした。

 

 チベット仏教にお不動さん,加えて日本神道となんでもござれの宗教施設でした。