湖北の”湖”は浜名湖です。当初の計画はちがっていました。湖西の名刹「本興寺」が第1目標で,そのあと掛川城まで足を伸ばすつもりでした。
「多米峠から下っていくと浜名湖が眼前に現れる」
と,ある本で読んだので多米峠を越えて浜名湖に行くことにしました。ところが実際は下っていっても一向に見えません。一瞬見えたのは一秒未満の景色,あれが湖面だったのだろうかと確信する余裕すらありませんでした。
本興寺山門
本興寺も期待が外れました。寺域の広さにその権威と由緒が表れてはいましたが,わたしにすればそれだけのことでした。山門は吉田城の門を移築したものだそうです。しかしながら,それで気持ちが昂る,というふうにはなりません。
猪鼻湖
浜名湖の北に隣接する湖ですが,一般的には浜名湖の一部と理解されているし,私も猪鼻湖という名前を意識したことはありません。水面付近まで降りられる道がありました。地元の漁船が眼前をゆっくり過ぎていきました。
オレンジロード
掛川城の前に龍潭寺に寄ってみることにしました。龍潭寺まではオレンジロードを経由していきます。ここは何度も走りましたが,オレンジがたわわに実っている頃に来たのは初めてでした。
なかまっこコスモス畑
オレンジロードの東出口にコスモス畑がありました。これだけのコスモスを群生させるのには結構な手間が要ることが栽培経験者だからこそよくわかります。
龍潭寺
龍潭寺は井伊家ゆかりの名刹です。井伊直政や井伊直虎の模像があります。ここで思いのほか時間をとってしまいました。目的地は掛川城なのにと思いながらも,ついでに通り道なので湖北五山の1寺,初山宝林寺にも寄ってみることにしました。
初山宝林寺
初山宝林寺は宗派としては数少ない黄檗宗のお寺です。本山の京都萬福寺と同様中国風のテイストが特徴です。ここでも特別展を見たり,境内の紅葉を見たりと時間をとってしまいました。
「いまは,日が落ちるのが早いから」
御朱印を書いていただいたお姉さん(ライダーでした)の言葉が掛川城を断念する決め手になりました。方針転換。湖北五山のうち二つを済ませたからあと三つ,五山をコンプリートする目標に変えました。
方広寺
三つ目の方広寺にはかわいらしい三重塔があります。山中でありながら広い寺域と大きな本堂,多くの僧坊がその由緒を示しています。
ここでは不覚にも拝観料を支払わずに入って,退場するときに入場チェックがあることに気づきました。柵も門もなかったのでおおらかといえばそうなんですが,気が付かないまま去ってもわかりませんでした。しかしそれでは気持ちが落ち着かないので結局退場した後に入場料500円を払いました。
気がつかなくて払わない人がいてもいい,というのがこのお寺さんの立ち位置なのかもしれません。
オレンジロード再び
方広寺から次の摩訶耶寺に行くにはもう一度オレンジロードを通るのが早道です。以前地図上の距離感だけで県道の山道を選択したことがありましたが,大失敗でした。走りにくい上にメインロードに出るまでに散々迷ってしまいました。その反省を生かして,大回りになるけれどもオレンジロード経由を選択しました。
たわたに実ったオレンジとの再会です。
とても気持ち良く走れる道です。でも,だからこそ走り屋さんの絶好の餌食になる道でもあります。今回も一瞬のうちに追いまくられました。もちろん即座に道を譲ります。私には攻める技能も気力もありません。
摩訶耶寺
摩訶耶寺と大福寺は,それまでの3つの寺に比べて鄙びていました。御朱印も直筆でなくて書き置きでした。しかし,観光寺院と化してない素朴な趣がありました。
大福寺
「お参りするだけなら,ご自由に」
大福寺でそう言われました。先の3寺では拝観料が必要でしたが,摩訶耶寺と大福寺ではは要りませんでした。大福寺ではサクラ(だと思いますが)の花が咲いていました。狂い咲きなのでしょうか,それとも別種の花なんでしょうか。
帰路は国道301号で宇利峠越えしました。新城→豊橋→豊川→蒲郡と走って,23号線で帰宅しました。走行距離253kmでした。
ぼる・ドール
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